「写本」調査メモ

「写本」その調査メモ、というブログを残して一年前に失踪した妹を探している。 「写本」に関係しているなら犯人への挑戦状であるのと同時に、知恵を貸してくれる人への助言要請でもある。

ようやく、落ち着いてきた。
いろいろありすぎて、どこから話せばいいのだろう?

結論から言おう、妹は救出できなかった。
また、たくさんの女性を救うこともできなかった。

唯一の救いは、「八神」の姪を救出できたことだ。
しかし、彼自身は酷い火傷を負って、姪が保護されたのと同じ病院に入院して、未だに意識が戻らない。

報道規制が敷かれているようだが、複数個所で起きた集団焼身自殺を知っている人も多いだろう。
一部、無理心中として報道されている物もある。
これが、儀式だった。
いや、正確には、儀式の一部でしかなかったのだが。
結局、儀式の成功を邪魔できたのかは、「香苗」が行方不明で分からない。

本当に、どこから話せばいいのだろう?
フラッシュバックのように、衝撃的な出来事が、断片的に脳裏をよぎって、思考がまとまらない。
記憶を整理しながら、始めから書いてみよう・・・
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  1. 2008/02/12(火) 16:43:34|
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妹失踪から一年と二十四日(深夜)

 1.八神と連絡をとる
》2.寝る

どーんと大きく波のような音がする。
真っ暗で、星が見える。
遠くで炎が燃えている。
あれは・・・

電話の鳴る音で、目が覚めた。
グッスリ寝て、夢を見ていたらしい。

発信元を見ると非通知。
「八神」ではないのか?

出ると、相手は早口で「ヤタガラスだ」と名乗った。
この声は、「サクラ」の指で妹の卒業アルバムが燃えた時に起こしてくれた電話の男性だ。
彼が、メールを送ってきた「ヤタガラス」だったのか。
そのまま彼は、「儀式の場所は」と海辺の地名を二度繰り返して、電話は切れた。

それは、これから出かけて、午前六時までに着くかは、微妙な場所だった。
近くまで行っても、海岸のどこか見つけるには、時間がかかるかもしれない。
とにかく、「八神」にも連絡して、急がなければ!

次に私は、何をしたらいいだろうか?

決まっている、儀式に乗り込んで妹を救出するのだ!

儀式まで4時間

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  1. 2008/02/09(土) 02:00:01|
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妹失踪から一年と二十三日(夜)

》1.八神と連絡をとる

なかなか「八神」から連絡がないので、携帯に電話した。
しかし、保留にされる。

何度かかけて保留にされて、ようやく繋がった。
場所が分かったか聞くと「八神」は不機嫌な声で、分かったらとっくに連絡してる、と切った。

何か、情報を得る方法はないかと考えて、「ヤタガラス」と「サクラ」のメールアドレスに、メールを送ってもみた。
しかし、アドレス不明で返ってきてしまった。

「八神」から電話が入る。
慌ててでるが、芳しい状況ではない。

彼は、コネを使って、警察のN・TシステムのデータからBHDに参加している人物の車の移動を調べていた。
どこかに集中する、そこが儀式の現場だと予想していたが、それに反して分散していっている。
囮なのか、儀式の場所が複数あるのか、今回の儀式には無関係なのか、分からない。
もう少しすれば、どこかに集合するかもしれない。

できれば寝て体力温存して、ついでに夢を見てくれ、と言って、電話は切れた。
待つしかないのか・・・

次に私は、何をしたらいいだろうか?

 1.八神と連絡をとる
 2.寝る

儀式まで12時間

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  1. 2008/02/08(金) 18:00:17|
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妹失踪から一年と二十三日(早朝)

》0.八神がいる
 1.八神と連絡をとる

ドアが開く音に向くと、部屋に「八神」がいた。
私が起きていることに驚いたようだが、眠れる気分でないのが分かったのだろう。
調査報告を始めた。

しかし、儀式内容に関しては、本当に情報がつかめないらしい。
辛うじて、ミサで聖餅を食べるように何かを食べる、ということが分かった程度だ。
・・・黄泉戸喫?

黄泉の住人となる儀式なのだろうか?
そんな儀式に妹が参加したら・・・

また、「サクラ」に会ったこと、赤い携帯を壊され、彼女も自分の携帯を壊したこと、黒い指輪のヒビを伝えた。
ただ、妹については話せなかった。

「八神」は、携帯については、どうせ繋がらなかったんだから、と気にしなかったが、黒い指輪のヒビには、強い危機感を覚えたようだ。
黄泉醜女への唯一の対抗手段なのだから。
しかし、対策の練りようもなく、切り札はなるべく温存しよう、という結論で終わった。
彼は、「サクラ」が私の妹のことを告げに来たのには、気づかなかった・・・

しかし、儀式の場所が分からないと、誰が参加しようと救出できない。
どこなのだろう?

次に私は、何をしたらいいだろうか?

 1.八神と連絡をとる

儀式まで24時間

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  1. 2008/02/08(金) 06:00:07|
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妹失踪から一年と二十二日(夜)

》0.電話が鳴る
 1.サクラと連絡をとる
 2.八神と連絡をとる

仕事からの帰り道、携帯電話が鳴った。
私の携帯ではなく、「香苗」の、いや「上飼京子」のかもしれないが、赤い携帯だ。

発信元を見ると、「サクラ」だ。
慌てて出ると、受話器と同時に、前方からも小さく「もしもし」と聞こえた。
顔を上げると、路地の少し先に「サクラ」が立っていた。

受話器から声。
「儀式のこと、知ってるんでしょ?」
ああ、と答える私。
「土曜日の朝なのも知ってるんでしょ?」
ああ。
「場所は?」
知らない、教えてくれるのか?
「さあ?」
儀式って何をするんだ?
「さあ?」
君は誰なんだ?
「私はサクラ、本名と言ったでしょ?」
黄泉醜女って、
「一番知りたいのは、そんなことじゃないでしょ?」
・・・なんだ?
「妹さんも出るわよ」
驚きに息が詰まって、声が出ない。
「サクラ」は、携帯を両手で持つと、フリップを逆に折った。
バキっという音を最後に切れる電話。

彼女は、ぽいっと二つになった携帯を足元に捨てる。
バイバイ、と手を振ると、私に背を向けた。

待て、と走り出した私の前、ちょうど「サクラ」の捨てた電話の上に、影が立ちふさがる。
目が赤い女性。
黄泉醜女だ。

伸ばしてくる手を避けようとして、手に持っていた赤い携帯が叩き落とされる。
それを拾った黄泉醜女の腕を掴む。
彼女は悲鳴を上げて、萎びた手ごと携帯が落ちる。

パキン、という微かだが、高い音が右手から響いた。
見ると、黒い指輪にヒビが入っている。
驚く私の隙をついて、黄泉醜女は逃げ出した。

道に落ちている「サクラ」の携帯と赤い携帯を見る。
両方とも、破砕機に入れたように粉々に壊れていた。
これで、「サクラ」と連絡を取る術はなくなった。

儀式に参加する妹を助けなければ・・・

次に私は、何をしたらいいだろうか?

 1.八神と連絡をとる

儀式まで36時間


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  1. 2008/02/07(木) 18:00:30|
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